2014年 11月 18日
フォト・エッセイ 第六章 「優しい名前」
このブログで2009年に「フォト・エッセイ 第一章 「柱のカメラ」」から第五章まで書いてまいりました。
随分間が開いてしまいましたが、続きを書いていこうと思います(^^;)。

その名前は「MIRANDA」。
ミランダカメラが誕生したのは1957年でした(前身は1948年)。

1960年代、JAZZ少年は寝ても覚めてもカメラ、カメラ、カメラの毎日だった。
それは、まるで祖母が仏壇の前で唱えているお経のような・・・・・。
もちろん、憧れは日本光学、キャノンの二大ブランド。
それ以外は、気になるもののどうしても欲しいという意欲はあまりなかった。
しか~し、MIRANDAだけはどうにも気になって仕方なかった。
なんで、女性の名前なんだろうか??
確かに、雰囲気は女性的だけど、どうも安物メーカーのイメージだしなぁ」と言うのが本音。
当時はとうとう買えずじまいで、「JAZZ少年を悩ませたMIRANDA」を手に入れたときはJAZZ少年はJAZZおやじとなってからのことだった。

それがこのMIRANDA SENSOMAT REだった。
f0149209_19421826.jpg




ごついカメラが幅を利かせていた時代に、名前通りの優しい「線」は異彩を放っていた。
何て優しい名前と響きなんでしょう。
その最たる部分が優美な曲線で構成された軍艦部の角でした。
f0149209_19461533.jpg

今まで、こんなに撫で肩の優しいフォルムがあったでしょうか?
MIRANDAと言う名前に相応しいと!
それに、もう一つの優しさはシャッターボタンの位置でした。
これがまたJAZZ少年を悩ませた原因でした。
軍幹部(正確にはレリーズ穴だけ)と前面の2箇所にシャッターボタンがあるのはなぜ?
f0149209_1952351.jpg

当時のJAZZ少年が気にはなっても買えなかった理由が、
「女性的」=「ひ弱」=「ハードな使用に向かない」と勝手に思っていたからに違いない。
しかし現実には、JAZZ少年の周りにいた女性達は、ひ弱どころか鋼のように強靭な女性ばかり!
私の父などは、パチンコ屋から負けて帰ってこようものなら、母に家には入れてもらえず玄関先で夜明かしする勢いだったのだから。
何を勘違いしてしまったのだろうか(爆)。

そんなMIRANDAも販売不振に耐えられず1976年に倒産してしまった。
倒産直前の1975年。
女性的なフォルムを排して発売した国内販売最後のカメラがMIRANDA dx-3。
今では滅多に見ない貴重なカメラです。
f0149209_2041919.jpg

あの、MIRANDAと言う優しい響きの名前とは違うフォルムは、ちょっと残念なものの現代の女性にも通じるモダンさを目指したものと思います。
f0149209_2074837.jpg

MIRANDA
優しい名前です。

by jazz-photo | 2014-11-18 20:08 | フォトエッセイ | Comments(0)


<< 松浦食堂さんの『茶粥定食』 -...      留長果樹園さんの紅葉リンゴ -... >>