2008年 01月 20日
八戸地方(南部地方)に伝わる伝統工芸品の一つに『八幡馬(やわたうま)』があります。 お土産品としても多くの土産物店で販売されていますが、鉈で仕上げる『鉈削り』の技法で製作する職人さんは大久保直次郎さんただ一人です。 全て手作りで、多くの工程を経て丁寧に仕上げられた『八幡馬』はまさに職人芸と呼ぶにふさわしい逸品です。 そこで、『進め!八戸せんべい汁推進委員会』のなかちっぱさんと、大久保直次郎さんの工房にお邪魔いたしました。 郷土玩具としての姿を色濃く残した、車に載った、黒と赤の『八幡馬』。 工房に差す光を受けて、美しく浮かび上がります。 製作の殆どを『鉈』一本で仕上げる大久保さんは、微妙な力加減で『八幡馬』の形を整えていきます。 材料はヒバとカツラを使っているそうです。 細かい仕上げも全て『鉈』を使います。 こちらは、鬣(たてがみ)を植える工程です。 大体の形が整ってきた『八幡馬』です。 鬣を植える角度にも細かい配慮が見られます。 胸やお腹の微妙な丸みに温かみを感じますね。 伝統的な色は、黒・赤・白だそうですが、実は『白木の八幡馬』も作られています。 残念ながら、『白い八幡馬』は画像がないのですが、それぞれの美しい姿をご覧下さい。 まずは、力強い『黒の八幡馬』です。 次は、艶やかで鮮やかな『赤の八幡馬』です。 そして、素朴な味わいの『白木の八幡馬』です。 木目の綺麗な木でしかできないそうです。 実は、大久保さんの職人技は新しい『八幡馬』を作ることだけではないんです。 家に飾られていた『八幡馬』もお色直しのために持ち込まれるそうで、この日も、大きな『八幡馬』が工房に持ち込まれていました。 塗料を全て剥がして、塗り直しを行うそうです。 大久保さんの『八幡馬』がいかに大切にされているかが分かりますね。 大久保さんは、 『私はあんまり器用ではないですし、今でも父の八幡馬の優しさが出せないんですよ!』と笑いながらお話してくださいました。 しかし、大久保直次郎さんならではの実直なスタイルは確実に作品に活かされていると感じました。 丁寧に張った千代紙と美しく描かれた模様が、大久保さんの優しいお人柄を表しているようです。 お仕事中のお忙しい時にお邪魔させていただきまして、本当にありがとうございました。 改めて御礼申し上げます。
by jazz-photo
| 2008-01-20 19:04
| 技の風景
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