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2010年 07月 04日
雪村うちわ職人 -茨城県常陸太田市-
『雪村(せっそん)うちわ』は、室町時代の天正年間、常陸太田の瑞竜町沢山の耕山寺に住んでいた、画人であり禅僧でもあった雪村(せっそん:1504年-1589年)が始めたとされ、水戸光圀(水戸黄門)も愛用、奨励したとされる伝統のあるうちわです。
この伝統のある「雪村うちわ」は、ただ一人の職人「枡儀団扇店」の圷さんが、今でも当時の技法で手作りされています。

独特の形をしていますよね。
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真竹を伐採してから1年以上かけて作られる「雪村うちわ」の工程の一部を見せて頂きました。

刃入れの工程です。
均等に約40分割になるように、10cm程割いていきます。
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均等に刃入れされた骨は、半分ずつ手で絞って元まで割いていきます。
これぞ、熟練の技です。
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広げてみると、均等に綺麗に割いてあるのがわかります。
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こうして原型が整った骨は完全に乾燥させていきます。
ご自宅の外には沢山の骨が干してありました。
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横手、窓作りの工程では、うちわの面になる骨の部分を薄くけずったうえで、イグサで骨を広げながら均等に編んでいきます。
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正確な間隔でしかも速い!
まさに職人技ですね。
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最後にイグサの余った部分を鋏で切って、うちわの原型ができてきます。
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「雪村うちわ」独特の形に予め長めに切り揃えて、うちわの骨の部分が完成です。
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うちわに使う紙は、丈夫でしかも貴重な地元茨城の「西ノ内和紙」を使います。
長年の使用でもびくともしない、丈夫な和紙です。
紙張りを終えたうちわは、工房の天井に隙間なく並べて乾燥させています。
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玄関の上にも・・・・・!
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最後に、圷さんお気に入りの柄だという「朝顔」柄のうちわで記念撮影を致しました。
お忙しいところ、本当にありがとうございました。
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by jazz-photo | 2010-07-04 20:48 | 技の風景


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