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2018年 01月 08日
フォト・エッセイ 第十一章 「PENTAXの意地」
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


JAZZ少年がカメラに夢中になっていた頃のPENTAXと言えば、何と言ってもPENTAX SPと言うスクリューマウント(ねじ込みマウント、M42マウント)の一眼レフが人気だったのですが、Nikonの様にレンズとボディの指標を合わせてくるっとひねると「カチッ!」とレンズがボディに嵌るバヨネットマウントがカッコよかった!
何よりプロっぽかった(^^;)

しかし、そんなPENTAXも1975年にそれまでのスクリューマウントからついにバヨネットマウントを採用したKマウントに大転換したのだった。
しかも、時代は一眼レフに小型軽量化の波が押し寄せ、その口火を切ったのがOLYMPUS OM-1(正確にはM-1)と言う一眼レフで、PENTAXもその熾烈な小型化競争に打って出たのだった。
そのPENTAXの意地と技術力を結集したのが今回取り上げたPENTAX ME,Super A(MEシリーズ)やMXなのです。
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中でも、PENTAX MESuper Aでは、軍艦部右側におなじみのシャッターダイヤルを排して、アップダウンボタン方式のシャッター設定にした、当時としては斬新で思い切った設計だったと言える。
PENTAXの意地と威信をかけた小型一眼レフへの回答だったのだろう。
しかし、当時のJAZZ青年にはAE専用機と言うPENTAX MEは割り切りすぎていてどうにも興味が湧かないない存在だった。
意外な時にその考えが変わってしまう「事件」が起きた。
それは、PENTAX MEの約3年後の発売された新型機であるME SuperとMV1と言う機種はボディ外装が真鍮からプラスチックに変わってしまったのだった。
当時でもコンパクトカメラは既にプラスチック製が主流となっていたものの、流石に一眼レフは金属製ではなくてはと頑なに信じていたJAZZ青年にとってはどうにも釈然としないものがあったのである。
それから、俄然、逆行してPENTAX MEに興味が湧いてきたのである。
大体のカメラはシルバーボディとブラックボディが選べるようになっていて、PENTAX MEもそうであった。
発売から約40年の時を経て、PENTAX MEを手に取ってみるとその質感や精密感はとても素晴らしいと感じる。
シルバーボディに施された梨地メッキは惚れ惚れするほど素晴らしい。
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ブラックボディは、「塗り」で光沢があり、漆黒のようでこれまた素晴らしいのである。
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しかもどちらにも今はもう見ることが出来なくなった当時の「旭光学工業株式会社」のブランドロゴがペンタプリズム部分にエングレーブされている。
JAZZ青年はこれだけで、PENTAX MEの中古を買いたい衝動に駆られて、夜な夜なお菓子工場の夜勤アルバイトに励んだのだったが、結局買えずじまいで、JAZZオヤジになってから手に入れたのだった。
40年経っても、電子回路は正常に動作しているのも驚きだ。
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そのPENTAX MEから改良を続けてきた集大成がこのPENTAX Super A
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残念ながらプラスチック外装になったが、アップダウンボタン方式のシャッター設定には液晶パネルが搭載され、設定値がすぐに確認できるようになった。
上がSuper A、下がMEのアップダウンボタン方式のシャッター設定である。
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小型軽量で使い易いカメラを作り続けようとするPENTAXの意地とプライドは、会社の母体が変わってしまった今でもPENTAXのブランドにDNAとして確実に引き継がれている。
JAZZオヤジがJAZZ青年の時のような体力とは比べようもなくなった今、小型軽量のデジタル一眼のPENTAX機やOLYMPUS機がNikon機にとって代わって私のメイン機材になっている。
(バックナンバーは右側のカテゴリの中の「カメラエッセイ」でご覧いただけます。)

by jazz-photo | 2018-01-08 16:35 | フォトエッセイ


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